自殺未遂2回目の話
またやってしまった。
死にたさが閾値を超えて、どうしても水に浸かる血を見たくなった。
風呂に水を溜めた。
スマホでブログを書き始めた。遺書がわりに。
水が溜まってきたので、手首を切った。水に浸けた。どくどく血が出てくるまで、何回か切った。
だんだん風呂が赤くなってきた。このあたりでTwitterの裏垢でまずさようならを言った。
全体的に風呂が真っ赤になった。手も足も少しずつ痺れてきた。この頃に、表垢でもさようならを言った。
先輩から電話がかかってきた。何をしてるの?と訊かれた。はぐらかすと先輩は泣いていた。
――思い出したくない。
先輩からわたしの家を知っている同期に連絡が行った。同期が来た。今回も死ねなかった。
救急隊が来た。自分で歩いて救急車に乗った。意識はまだはっきりしていた。もう少し死ぬには時間が必要だったみたいだ。
病院で淡々と処置を受けた。9針縫った。
別の同期が家の前で待っていた。何を話したかほとんど覚えてないけれど、わたしは死ねなかったと泣いていたような気がする。
電話をしてくれた先輩が来た。抱きしめて泣いてくれた。ずっと話をしていた。ふたりともたくさん泣いた。同期2人は狭い玄関でずっと待っていてくれた。
今回も死ねなかった。またわたしはこれから死にたい死にたいと泣くのだろう。それでも生きていかねばならないのだろう。どれだけつらい人生であろうと。
死ななくてよかったと思える日がいつか来ますように。