全部秋のせいだ。
死にたい。ただそれだけ。
希死念慮だけがある。
死を希求する心と、死んでほしくない周りの人たち、ありがたいことだけど、本質的には救ってはくれない。自分で自分を引っ張りあげるしかないのだから。
死への衝動は脳の病気だってわかっている。わかっているのに、死にたみを止められない。
厄介なのは、原因がないこと。部活がしんどいせいではない。死にたみが大きくなってから部活のしんどさは減ったのだから。原因がない死にたみは処理のしようがない。どうしようもない。脳のバグである。
薬を飲んでいるのにこんなに死にたくなったことはない。全部秋のせいだ。きっとそうだ。いつもは秋になると体に出てくる鬱が、精神に蔓延っている。体に出る鬱もつらいけれど心の鬱もつらい。どちらも甲乙付けがたいほどつらい。
助けてくれ。お願いだ。助けてくれ。それしか言えない。毎日泣かない日はない。
本質的にひとをあまり信頼することがないので、本当の意味で誰かに助けてもらうことができない。一人で勝手に助かるだけ。そうだ。一人で助かることができるかどうかは、助かる手段が何であるかは、ともかく。
そうやって冷静に分析しながら、今日もまたひとり部屋で泣き喚くのだ。死にたい、死にたい、しんどい、助けてくれと。
秋が過ぎ去るのを待つしかない。部活に没頭するしかない。また未遂なんかしないように、自分を制するしかない。
死にたい。まだ死ねないけど。